今日、焼きうどんを作った。
そしたら、今はもう居ない彼女のことを思い出して
涙が出た。

彼女は去年の９月
この世界を去った。

あたしは２２年の人生ほとんどを
彼女と過ごした。


彼女はとても気が強かった。
彼女はとても甘えたがりだった。
彼女はとても寒がりだった。
彼女はとてもかつおぶしが好きだった。


彼女が居なくなって半年。
あたしが彼女のコトを忘れることはないけれど、
彼女のコトを思う時間は
確実に短くなってきていて。

焼きうどんを作って、
かつおぶしをかけてたら、
湧き上がるように彼女のコトを思い出した。
かつおぶしの袋を開けると、
どこに居ても彼女は匂いを嗅ぎつけて
あたしの足元をくすぐる。

彼女はかつおぶしが好き。
でも上手に食べられない。
鼻息でかつおぶしが飛んでしまうから。
そんな姿をあたしは見たいから、
またかつおぶしの袋を開ける。


今日、焼きうどんにかつおぶしをかけた。
彼女は居ない。
足元をくすぐる感じも、
鼻息で飛ぶこともない。
かつおぶしの袋を開けても
彼女には会えない。
そう思ったら涙が止まらなくなった。
また彼女に会いたい。
彼女に触れたい。

でもね、
かつおぶしを揺らす湯気は彼女なのだと思った。


だからあたしはまた、
かつおぶしの袋を開けてしまうだろう。


2005.09.26　あたしの最愛の猫　永眠。